日曜美術館(NHK)、1983年放送のアンコール番組、
染色家で人間国宝、芹沢銈介さんへのインタビュー録画を見ました。
インタビューの一部、書き起こしました。私の備忘録。
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「私と芹沢銈介」っていう池田満寿夫さんがスタジオゲストの回でした。

アフリカ、南米、日本の骨董や工芸品が飾られた芹沢銈介さんご自身の部屋で。
棚には柳宗理の写真と思われる額も。

聞き手は女性アナウンサーさん。

聞き手「ものが語りかけてくるような暖かい雰囲気のあるご自宅ですね」
芹沢先生:::私としましてもね、ものがね、私のところに集まってきて、
色々面白い話をしてくれる、そういう気持ちで集まっている。
はじめからこういうものを集めようとか、
それはそのいわゆるコレクターのような動機でやってんじゃないんでなにかこう、
私を慕って、私のこの部屋に入るのを喜んで来てくれるものがですね、
アフリカのものとか南米のものとか、もちろん日本のものも来ますけど
アフリカのものは特に見ていただいて自慢になるようなものがきています。


聞き手「向こうから先生を慕って集まってくる?」
芹沢先生:::そんな気がしますね。


聞き手「選ぶ時に基準と言いますか大切になさってることはありますか」
芹沢先生:::衣類ならよそ行きでないもの、 普段着のもの。労働着など
結局そういうものが選ばれることになりますよ。
あんまりこう、日本の着物でいえば友禅とかなんとかいう
高級な技術的なものでは無くてですね、東北の刺し子や簡単な絞りのものなど、
そういったものが面白いですね。本当ですねそういうものは。


聞き手「こういったものが作品のアイディアに繋がっていくのでしょうか?」
芹沢先生:::それはね、それが功利的な図案の元になるとかっていうんじゃなくてね
ただこの、ものが出来た、作った気持ちですね、
またその造形などはね、参考になるとかなんとかじゃなくて、
非常にこう、自分の生活にね、なんかこういろんな勇気を与えてくれたり、
くつろぎを与えてくれたりそれはありますね。それはいいところですね。

別に持っていることを自慢にするじゃなくてですね、いつでも慰められています。
それはやっぱりある意味じゃ作品ですね。
ものと一緒に暮らすということは。



番組の最後、インタビューの締めくくりは以下の言葉。

芹沢先生:::僕は、薦(こも)を背負ってね、
ずた袋をしてそして生きていきたいと思っている。
出来たら、運転が出来ないけどいい相手がいたらそこに全ての仕事道具を収めて
ずっーっと方々まわってみたいと思ってるんですよ。

なんかこう富士見西行なんてのがありますね。
富士山を見ながら寝転んで富士山と親しんでそれでまたどっかへ行くとかですね
やってみたいですね。
九州から四国、山陰、山陽、京阪ですね、それから関東まわって北海道。
北海道やなんかにも待っててくれるひとがあるんですよ。
それが済んだら今度はアメリカのカリフォルニア、そこにも
島岡くんていう益子の焼き物を焼く人が行ってよく使うろくろがあるんですよ。
そのろくろなんか使わせてもらって絵付けをするとかね。
もう方々、ありとあらゆる場所を行脚してあるきたい。
だからもう、もう少しでこの家を捨ててね、家出をするのが
もう、何よりも早くそうしたいと思ってる。



映像は静かで和やかで昭和のNHK的。
ご自宅も作業風景も興味津々で拝見しました。
亡くなる前年のインタビューというのにどんどん軽やかになられていくような。
美しいものを製作する姿や住まいを見られて眼福でございました❤️

都会的で、きっちりスッキリした住まいにもときめきますが…


高価ではない古い工芸品の美しさ、
手仕事のふくよかなあたたかみ、
拾った小石とか松ぼっくりとかドングリ帽子付き小枝とか、
大切な人の写真とか、自然が感じられ、かつ美しく、
人間らしいくつろぎのある住まいが居心地がいい、と感じています。

居心地良さげだけどワクワクする、そんな住まいでした。



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